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新型コロナウイルス感染症予防対策関連

第1回
「新型コロナに対抗できる、かかりつけ医の探し方」

㈱健康企業 代表・医師 亀田高志

はじめに

「コロナ禍」という言葉が定着するほど、既に1年以上に亘り企業と働く人は新型コロナウイルス感染症(以降、“新型コロナ”)の影響を受けてきました。漸く3月下旬に一都三県の緊急事態宣言が解除されましたが、各地の新規感染者数は再び増加傾向に転じ、GWを前にいわゆるリバウンドが心配な状況です。そのような折に労働衛生・健康管理の面から、より実務的な新型コロナ対策を今年度、計7回の予定で連載する機会を得ました。初回は一見優先順位が低く見えるかもしれませんが、再拡大を前に新型コロナに負けないための「かかりつけ医」について触れてみたいと思います。

新型コロナは難しい・・

新型コロナ対策に関するコンサルティング、執筆や研修を担当する中で感じる難しさは一人ひとりの働く人にとって、そのリスクが様々である、ということです。

40歳未満の人は重症化する可能性がほぼないですし、健常な若者であれば無症状で済んでしまう可能性が高いです。一方で65歳以上の高年齢、糖尿病や高血圧、脂質異常症、がん、慢性呼吸器疾患、慢性腎臓病の人は重症化しやすく、一度そうなってしまうと死を免れても長く療養し、日常に復帰するのは容易くありません。

感染した人は発症する2日前から他の人にも感染させてしまうので一人ひとりの行動様式次第で感染リスクが変わることになります。在宅勤務をしていて、それが苦にならない人はリスクが小さいですが、仕事を通じて人と接する機会が多い人や日常的に外出や外食する人はリスクが大きくなります。

平時から習慣であったマスク着用が日本人全体の感染者と死亡者が海外に比べて少ないことに役立ち、超過死亡と呼ばれる例年に比べた死亡者数が少なく済んだと考える専門家もいます。けれども変異型の拡大が状況を一変させてしまう懸念もあります。

他方、新型コロナが蔓延してしまうと医療機関のひっ迫だけでなく社会不安が惹起されてしまう事態になりかねません。その蔓延を防止するために、感染が確認された人や濃厚接触者は、行政による隔離や調査の対象となります。感染や疑いが確認されれば保護すべきであり、重症化しないか経過観察を行い、適切な治療を提供しなければならないからです。

しかし個人の立場で言えば、それは強制隔離を意味しますし、そうした人が批判の対象となりやすい傾向があります。いざ感染を疑う症状や接触があった際には経過観察を受けた方が安全ではありますが、正直には申告しにくい面が否めません。

かかりつけ医を持っていますか?

 こうした難しい状況に働く人と家族の立場で対抗する確実な手段は、かかりつけ医を持つことです。自宅近くにできれば家族ぐるみで頼ることができる、かかりつけ医を持っていることが望ましいと思います。

かかりつけ医によって重症化のリスクを小さく抑える治療や指導、経過観察を受けることができます。万が一、発熱や咳、心配な症状を自身や家族が感じた場合に、電話で相談できる頼れる窓口ともなります。医療機関によっては外来で抗原検査等を行ってもらい、新型コロナが疑われた場合でも具体的な対応をアドバイスしてもらえます。将来的には新型コロナのワクチン接種も、かかりつけ医で受けるのが一般的になってくるかもしれません。

ところがオンラインでのコンサルティングやセミナーでこのようなお話しをすると「かかりつけ医はいません」とか「かかりつけ医を持たない従業員がほとんどです」といったコメントをたくさん頂いてきました。

客観的に考えるとこれは不思議な話です。というのも職場で年1回以上の実施が義務付けられている一般定期健康診断では全体の過半数の人が何らかの所見を持つことが明らかにされています。その対象は肥満、糖尿病、高血圧や脂質異常症をいった、いわゆるメタボのチェックが主ですから『要医療』レベルの判定であるなら、かかりつけ医があってしかるべきです。これらは程度に応じて新型コロナの重症化リスクともなります。

かかりつけ医を探すコツは?

70歳まで働くことが求められる様々な健康問題をフォローしてくれる、かかりつけ医を持つことは益々重要ですが、どのようにかかりつけ医を探すのがよいでしょうか?

それには身近な専門家である職場の産業医や保健師、看護師に紹介をお願いできると思います。あるいは高校や大学時代の友人や親戚、信頼できる知り合いに医師等がいたら、通いやすい医療機関を紹介してもらうこともできます。医師同士や医療関係者の間でも口コミが役に立ちますが、家族まで含めて、受診しやすく、色々と相談できそうな医師を選んでもらうこともできるかもしれません。

もしもメタボの傾向を指摘されていて、例えば産業医等に保健指導や健康相談の形で会うことができるのであれば、通いやすいクリニックや病院を教えてもらうだけでなく、紹介状を用意してもらえないか、頼んでみると良いと思います。秋口から行われるであろう季節性インフルエンザの予防接種をかかりつけ医のきっかけにしてもよいかもしれません。

職場の対策を担うお立場であれば、早めにかかりつけ医を持つ、今回触れた必要性とメリットを啓発頂き、特に定期健康診断で要医療の判定を受けた人に健康情報管理に留意しながら、その確保を勧めていくことができると思います。



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